歯周病の外科治療とは?必要になるケースや治療の種類を解説
こんにちは。台東区根岸、JR「鶯谷」駅南口より徒歩3分、日比谷線「入谷」駅2番出口より徒歩3分にある歯医者「うぐいす歯科クリニック」です。

歯周病は、初期段階には自覚症状が少ないものの、進行すると歯を支える骨や組織にまでダメージを与える病気です。軽度であれば、歯磨き指導やクリーニングといった治療を行いますが、炎症が収まらない場合や歯周ポケットが深い場合には、外科的な治療が必要になることもあります。
この記事では、歯周病の外科治療が必要になるケースや治療の種類、メリット・デメリットについて解説します。歯周病の外科治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
歯周病の外科治療とは

歯周病とは、歯と歯ぐきの境目にたまった細菌によって炎症が起き、歯を支える歯ぐきや骨(歯槽骨)が少しずつ壊れていく病気です。進行すると歯がぐらつき、最終的には抜け落ちることもあります。
歯周病の治療は、まず歯磨き指導や歯石除去といった基本的な治療から始めます。しかし、歯周ポケットが深くなると、器具の先が底まで届かず、汚れを目で確認することができないため、歯石を取りきれないケースもあります。そこで歯ぐきを切開し、奥深くの汚れを取り除いたり、失われた歯周組織の再生を促したりするのが外科治療です。
治療方法には、歯ぐきを切開して歯石や炎症を取り除くフラップ手術、骨や歯ぐきの再生を促す再生療法などがあります。
歯周病の外科治療が必要になるケース

歯周病の外科治療が検討されるのは、クリーニングなどの基本的な処置だけでは改善が難しい場合です。歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、歯ぐきの奥に歯石やプラークがたまって通常の処置だけでは汚れを十分に取り除けないことがあります。このような場合には、歯ぐきを切開し、歯石を取り除くフラップ手術などが検討されます。
また、歯を支える骨が溶けて歯がぐらついている場合には、骨の再生を促す手術を行うこともあります。本来骨が持つ歯を支える力を回復させることで、歯のぐらつきを抑えられる可能性があります。
歯周病の外科治療の種類

歯周病の外科治療には、いくつかの方法があります。症状や目的に応じて選択されるため、それぞれの特徴を理解したうえで治療に進みましょう。
フラップ手術
歯周ポケットが深くなると、奥にたまった歯石には器具の先が届きにくくなります。歯周ポケットが5mm以上あり、基本治療をしても歯石が残る場合に検討されるのが、フラップ手術です。
フラップ手術では、麻酔をしてから歯ぐきを切開し、歯根や歯槽骨が見える状態にして、奥深くの歯石や感染した組織を目視で取り除きます。これらの汚れを取り除いて炎症の改善を図り、歯周ポケットを浅くすることを目指します。
歯ぐきが引き締まって清掃もしやすくなるため、再発の予防にも役立つとされています。中等度から重度の歯周病に用いられることが多い方法です。
歯肉切除術
歯肉切除術は、歯茎が大きく腫れて厚くなっている場合に、余分な歯茎の部分を切り取って形を整える外科的処置です。歯茎が厚くなりすぎると、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)が深くなり、汚れがたまりやすくなります。
歯周ポケットが深いままだと、毎日の歯磨きでは汚れが取りきれず、さらに歯周病が進みやすくなります。そこで、歯肉切除術で歯茎の厚みや形を整えることで、歯周ポケットを浅くし、プラークのたまりにくい状態を目指します。
ただし、歯ぐきを切り取るため、術後に出血やしみる症状が現れることもあります。また、切除の範囲によっては見た目が変わる場合もあり、歯科医師とよく相談したうえで治療を受けることが大切です。
歯周組織再生療法
フラップ手術や歯肉切除術が汚れを取り除くことを主な目的とするのに対し、再生療法は、歯周病で失われた骨や歯ぐきそのものの回復を目指す治療です。フラップ手術で歯石を取り除いても、一度溶けた骨は基本的には元に戻りません。
しかし、歯槽骨が大きく失われた場合でも、骨の欠損の状態などによっては、再生療法によって歯を残せる可能性があります。歯周組織再生療法には、次のような方法があります。
GTR法
GTR法は歯周組織再生療法のひとつで、特殊な膜を使って失われた骨や歯根膜を再生する治療法です。歯周病によって骨が失われると、歯ぐきの組織が先に隙間を埋め、骨の再生が妨げられることがあります。
GTR法では、メンブレンという膜を設置して歯ぐきの侵入を防ぎ、骨が再生するためのスペースを確保します。ただし、特定の条件を満たした場合に保険が適用され、使用する膜の種類や症例によっては自費診療となる場合もあります。
エムドゲイン法
エムドゲイン法は、歯周病によって失われた歯の周囲の骨や歯根膜などの再生を促す治療法です。豚の歯胚から抽出されたたんぱく質を含む薬剤(エムドゲイン)を歯根の表面に塗布することで、歯が生えてくるときに似た環境を再現し、組織の再生を促します。
特に、垂直的な骨の欠損に用いられることが多く、歯を支える力の回復が期待できます。エムドゲイン法は原則として自費診療であり、すべての症例に適応できるわけではありませんが、条件が合う方には選択肢のひとつとなるでしょう。
リグロス法
リグロス法は、日本で開発された薬剤を用いる治療法で、主に歯槽骨の再生を目的としています。リグロスには成長因子と呼ばれるタンパク質の一種が含まれており、骨や歯根膜の再生を促進する働きがあります。
手術では歯ぐきを切開して歯の根元をきれいにした後、リグロスを塗布し、再び歯ぐきを縫合して組織の回復を待ちます。また、リグロス法は一定の条件を満たす場合に保険が適用されます。
歯周病によって大きく失われた組織の再生も期待でき、重度の歯周病の方にも用いられる治療法です。
歯周形成手術
これまでの治療が歯周病そのものへの対処であるのに対し、歯周形成手術は、下がった歯ぐきの見た目や機能を取り戻すための治療です。歯ぐきが下がって歯が長く見える、根元が露出してしみるといった状態の改善を目指します。
代表的なのが、上あごなどの別の部位から健康な歯ぐきの組織を採取し、歯ぐきの薄い部分に移植する結合組織移植術という方法です。歯ぐきの厚みを増やして露出した歯根を覆うため、しみる症状がやわらいだり、歯ぐきの見た目が整いやすくなったります。
歯周病の外科治療のメリット

歯周病の外科治療は、症状を抑えるだけでなく、歯の健康を長く守ることを目的としています。ここでは、外科治療によって得られる主なメリットを解説します。
歯周病の進行を抑えられる
外科治療では、歯ぐきを切開して歯根の奥深くを目で確認しながら処置できるため、通常の治療では届きにくい深い歯周ポケットにたまった歯石や感染した組織まで取り除けます。
炎症の原因を除去できることで、歯周病の進行を抑えられる可能性があります。進行を抑えられれば、歯を失うリスクが減り、お口の健康も長く保てるようになるでしょう。
歯周組織の再生を目指せる
再生療法などの外科治療は、失われた歯周組織の再生を促し、歯をしっかり支えられる状態に導くことを目的とします。
通常の治療では抜歯が検討されるような、骨が大きく溶けた重度のケースでも、リグロスやエムドゲインなどの再生療法を組み合わせることで、歯を残せる可能性が高まります。自分の歯で長く生活したい方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
セルフケアがしやすくなる
外科治療によって歯周ポケットが浅くなると、歯ブラシの毛先が奥まで届きやすくなり、毎日のセルフケアがしやすくなります。汚れを落としやすくなることで歯周病の再発リスクも抑えやすくなり、治療後も良好な状態を保ちやすくなります。
歯を長く残せる可能性が高まる
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて歯がぐらつき、抜歯が必要になるかもしれません。このような場合でも、歯周病の進行度や歯を支える骨の状態によっては、外科治療によって歯を残せる可能性があります。
特に、再生療法やフラップ手術では歯の土台となる組織を整えられるため、歯の寿命を延ばすことにつながります。できるだけ自分の歯を残したいという方にとって、外科治療は選択肢の一つとなるでしょう。
歯周病の外科治療のデメリット

歯周病の外科治療には多くの利点がある一方で、デメリットや注意点も存在します。治療を検討する際には、こうした側面についても理解しておくことが大切です。
術後に痛みや腫れが生じることがある
外科治療では歯ぐきを切開したり、組織を処置したりするため、治療後に痛みや腫れが出ることがあります。ほとんどの場合は数日から1週間程度で落ち着きますが、人によっては長引くこともあります。
日常生活に支障が出るケースは少ないものの、術後の回復には個人差があるため、あらかじめ理解しておきましょう。
歯ぐきが下がることがある
外科治療のなかには、歯ぐきを切開して、歯周ポケットの奥深くにある歯石や感染した組織を取り除く処置があります。この治療の過程で歯周組織が一部失われたり、歯ぐきの位置が下がったりすることがあります。
その結果、歯の根元が露出し、見た目に変化が出ることも珍しくありません。また、歯ぐきが下がることで、歯が長く見えたり、知覚過敏の症状が現れたりするケースもあります。こうした変化に対しても、事前に理解しておくことが大切です。
費用の負担が大きくなることがある
歯周病の外科治療のなかには、保険が適用されず、費用の負担が大きくなるものがあります。特に、エムドゲイン法などの再生療法は自費診療となり、処置する範囲によっては高額になることもあります。
フラップ手術やリグロスを用いた再生療法のように保険が適用される治療もありますが、その場合でも処置の範囲や回数によって費用は変動します。初期の歯周病治療に比べると、外科治療は費用の負担が大きくなりやすい点がデメリットです。
全ての症例に適応できるわけではない
外科治療は、すべての方に行えるわけではありません。歯を支える骨の状態や歯周病の進行度、全身の健康状態などによっては、手術が難しいこともあります。
例えば、重度の歯周病で改善が見込みにくい場合は、外科治療の適応とならないことがあります。また、糖尿病のコントロールが不安定な方や、心臓の持病がある方、血液を固まりにくくする薬を服用している方も慎重な判断が必要です。
特に、喫煙習慣がある方は、歯ぐきの血流が低下して傷の治りが遅れることがあり、治療後の回復に時間がかかる場合があります。適応は総合的に判断する必要があるため、気になる方はまず歯科医師に相談してみましょう。
まとめ

歯周病が進行して基本的な治療で改善しない場合には、外科治療が検討されます。具体的には歯石を取り除くフラップ手術や、失われた骨や組織の再生を促す再生療法などがあり、歯周病の状態に応じて適応が判断されます。
外科治療には、歯を残せる可能性が高まるという利点がある一方、術後の痛みや腫れ、費用の負担などの注意点もあります。そのため、メリットとデメリットの双方を理解し、歯科医師と相談しながら決めることが大切です。
歯ぐきの腫れや出血、歯のぐらつきが気になる場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
歯周病の外科治療を検討されている方は、台東区根岸、JR「鶯谷」駅南口より徒歩3分、日比谷線「入谷」駅2番出口より徒歩3分にある歯医者「うぐいす歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は「歯を大切にするお手伝い」をモットーに、通いやすい・安心できる環境を提供できるよう努めています。虫歯・歯周病治療だけでなく、予防歯科や小児歯科、矯正治療、インプラント治療など、さまざまな診療にあたっています。
当院のホームページはこちら、お電話でのご予約・お問い合わせも受け付けています。矯正無料相談会も実施しておりますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
丸山 敏史
経歴
- 昭和医科大学 卒業(2007年・第100回国家試験合格)
- 昭和医科大学大学院 博士課程修了(補綴科所属・1年目は研修医として勤務)
- 都内医療法人の分院長として勤務
- 西糀谷歯科 勤務(4年間)
- うぐいす歯科クリニック 開業(2014年)
所属機関
- 日本インプラント学会
- 日本補綴歯科学会
- シン中心位 専門医取得
- プレオルソ(小児矯正)導入医
